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2015年 2月 すきっ歯を二日で治療! -レジンベニア-

           
 今月はレジンベニアのお話。
レジンベニアは治療法のページでもご紹介していますが、歯の表面に歯科治療で使用する樹脂素材(コンポジットレジン=略称CR)をコーティングする方法です。(レジンベニア参照
治療法のページでは歯の着色をリカバーするホワイトニングの手法として紹介していますが、今回は応用編として 歯の隙間をリカバーする手法をご紹介します。
 
まずはこちらの患者さんの写真。
 

 
前歯がすきっ歯になっています。咬み合わせの面から見るとこんな感じ
 

 
真ん中と両脇、左の二番目と三番目の間の4箇所に隙間があります。
この方の場合、前歯の真ん中から二番目の歯がないため、顎に対して歯の数が足らず隙間ができてしまっています。
各隙間は1,5㎜ぐらいずつあります。
 
下顎の前歯も一本足らなかったので、おそらく先天性欠如(生まれつき歯の数が足らない状態)だと思われます。先天性欠如といっても奥歯の咬み合わせもしっかりしていますし、下の歯は隙間もできてないので健康上それほど問題はありません。
逆にこの方の顎のサイズで歯の数がすべてそろっていたら、おそらく出っ歯か凸凹の歯並びになっていた可能性が高いです。
しかし、やはり隙間は見た目上気になるそうなので、レジンベニアでリカバーすることになりました。
 
こちらがレジンベニア後です。
 

 
真ん中の2本と左上の歯、計3本にベニアを施しています。
ベニアは一本につき30分はかかりますので、二回に分けて行いました。
初日に左上の歯を1㎜弱大きくしました。図解するとこんな感じです。
 

 
歯の両脇にレジンを足すだけの方法ですと、年月がたって色素沈着したときに継ぎ目の部分が目立ってくるので、表面も一層コーティングするのがポイントです。
よく虫歯の治療で部分的に詰めたレジンが、色素沈着でその部分だけ茶色くくすんで、ツギあてしたように まわりの歯質から浮いて見えている方を見かけますね。
表面全体をコーティングした場合は、色素沈着しても表側に境目がないので比較的目立ちにくく、多少のくすみなら一層研磨すればベースの白い色が出てきます。
 
ただし、継ぎ目が隣の歯との間か裏側にくる分、形態と研磨に細心の注意が必要となり、処置にはかなりの集中とお時間がかかります。
一回の処置は2本が限界です。
 
というわけで、初日に左上の歯を施術しましたので、二回目は真ん中の2本を一度に処置しました。
一度に2本となると、一時間超えの診療にこちらも患者さんもお疲れぎみですが、前歯の隙間がなくなった喜びはお互いひとしおです。
くらべてみても、印象がまったく違いますね。
 

 
ところで、咬み合わせの面からの写真でお気づきの方もおられるかもしれませんが、隙間がもう二箇所残っています。
これはこの隙間を全部埋めるほど歯を大きくレジンを足してしまうと、歯の形のバランスが悪くなるからです。ならば横の歯を大きくしたいところですが、この両横の歯は咬んだ時に下の歯ががっちりあたる咬み合わせなのでこの部分にレジンをつけても、咬む力に負けてすぐに壊れてしまいます。
レジンベニアも万能ではないということです。
 
咬み合わせにもよりますが、基本的に下顎の歯も同様の理由でレジンベニアには向きません。
もちろん矯正治療を行えば、隙間をとじることは可能です。
ただ最低でも数ヶ月の期間は必要になりますので、「時間がない」「今すぐ真ん中の隙間だけでもすぐに目立たなくしたい」などといった場合の選択肢のひとつとして、レジンベニアはご一考いただける方法です。
また、歯が欠けてしまった場合などのリカバーにも応用することができます。費用も矯正治療と比べると格段にお手軽ですので、前歯の見た目にお悩みの方は是非一度ご相談ください。(治療費一覧はこちら