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vol.27 舌トレーニング ー舌筋の影響ー

 皆さん舌の位置について考えたことがありますか??

舌の位置?もちろんお口の中にあるに決まっていると思われるでしょうが、ではお口の中にどのような形で収まっているでしょう?

体の姿勢に良い姿勢と悪い姿勢があるように、舌の位置にも良い位置と悪い位置があります。

体の姿勢が悪ければ、骨格がゆがんだり肩こりや腰痛が起こりやすくなりますね。同様に舌の位置が良くないと歯並びや口元に影響が出てきます。

 

まずこちらの横顔を見比べてみましょう

 

<A>                   <B>

             

 

どちらも同じ人物の同じ日の横顔ですが、顎のラインの違いがわかりますでしょうか?<B>の方がぽっちゃりして見えますね。

 

 

    

次は歯並びです。一見そこそこ並んでおり、きれいな歯並びに見えますが、じつは大きな問題があります。

よく見ると奥歯はかみ合っているのに前歯が上下で開いています。「開咬」という歯並びで、奥歯と前歯の高さのバランスが悪いので、どう顎を動かしても上下の前歯が接触出来ず。前歯でものを咬み切ることが出来ません。

2021年 1月 舌癖(ぜつへき)

これらが舌の位置の影響です。

決して太っているわけではないのに二重顎の方や、前歯で物が咬みにくい方、舌の位置はどこにありますか?

 

さて、では 良い舌の位置とはどこでしょうか?

 

<良い舌位(安静位)> *安静位(飲み込んだり発声したりしていない、何もせず安静にしている時の舌の位置)

  • 舌背(ぜっぱい)が口蓋(こうがい)全体にピッタリくっついている
  • 舌尖(ぜっせん)がスポットにあたっている

 

断面図で見ると、こんな感じです。↓

             

舌背が奥まで、のどのあたりまで隙間なく密着していることと、舌先が前歯の付け根あたりに付きますが、前歯の先端より前にでてないことがポイントです。

この状態でお口を開けても、舌の位置がキープできますか?

舌の筋力が足りない方は舌を持ち上げた状態がキープできず、お口を開けた途端にペタンと落ちてしまいます。

 

舌の筋肉??と思われるかもしれませんが、舌自体は筋肉の塊です。舌は咀嚼する時に、食べ物を右の歯に寄せたり左に寄せたり、舌の動きで食べ物をのどへ送り込んだりと重要な役割を担っています。結構大きな筋肉で、いわゆる舌として見えている部分だけでなく、断面図のように、下あごの骨の内側にある肉は全て舌の筋肉です。

舌の筋力が弱い方は普段から舌が下に落ちた状態ですので、その分ゆるんだ筋肉が下にたるんだ状態になります。先ほどの横顔写真の<B>がこの落ちた舌の状態で、断面図に表すとこうなります。

     

矢印の部分を外側から触って舌を動かしてみるとよくわかるとおもいます。

舌先をスポットにつけてのどの奥までピッタリ押し上げるほど、顎下のお肉も引き締まって挙上されますね。

 

 

 

ここで気を付けたいのは、「舌を挙げる」とか、「奥へ」というと、以下のような勘違いをしやすいことです。

 

 

<NG例 1> 舌先はスポットに付いているが舌背が口蓋につけられていない。

 

 

<NG例 2> 舌先巻き込んで奥にやっている

 

 

いずれも、舌背が口蓋にあたっていないので舌の根元部分が下がってしまって下顎のお肉もゆるんでいます。指で触って確認してみましょう。

 

舌先の位置も重要で、先述の「開咬」の咬み合わせの方の舌位は以下のように舌先が前歯より前に出てしまっています。(舌突出癖)

   

 

常時、舌がこのような位置にあると、前歯が押されて歯並び自体が変わってしまい、前歯が咬み合わない「開咬」という不正歯列になってしまいます。

また、舌は噛む時(咀嚼(そしゃく))しゃべる時(発声)飲み込む時(嚥下(えんげ))に様々な動きをしますが、この時の動きにも良くない癖があると歯並びに影響を及ぼします。(「咬む」と「噛む」のお話はトピックス「vol.25 「噛(か)む」と「咬(か)む」 ―良い咬み合わせのために良く噛む―」をご参照ください)

特に開咬の方は嚥下時に舌を前方に押し出す癖や、タ行サ行の発声時に舌が出る癖のある方が多いです。嚥下は飲食時だけでなく、人間は一日に1~1.5リットルの唾液が出るといわれていますので、無意識にかなりの回数の嚥下が行われることになります。

その都度前歯に舌に圧力がかかるわけですから、歯並びにも少なからず影響を及ぼしているわけです。いくら矯正治療で歯並びをなおしてもこれらの癖の改善が行われないと再び舌の影響が歯並びに現れてしまいます。

そこで舌のトレーニングが必要になってくるわけです。基本的には上記の舌の位置を常にキープできていれば良いのですが、それまで無意識だった舌の位置や動きを意識的に治すのは少し難しいので少しずつ進んでいきましょう。

 

さて、今回かなり長くなってしまいましたので、実際のトレーニングは次回に

 

 

舌の正しい位置まとめ

  • スポットの位置を知る
  • スポットに舌尖を押し当てる
  • 舌尖をスポットつけたまま舌背を口蓋に全面奥までくっつける
  • 顎下の肉が上がっていることを触って確認