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2022年 12月 ホワイトニングで歯を白く2 ーホームホワイトニングー

 前回いろいろなホワイトニングについてご紹介いたしましたが、今回はそのなかで、もっともポピュラーなホームホワイトニングの詳細についてご紹介したいと思います。

 

まず、おさらいですが、ホワイトニングには、歯の表面の色素のみを落とす方法や歯の色を覆い隠す方法などいろいろありますが、ホームホワイトニングとは歯の表面から薬剤をゆっくりと浸透させて歯自体の色を白くする方法です。

ゆっくり時間をかけて浸透させるために、歯全体に薬剤を入れた専用の「カスタムトレー」と呼ばれるマウスピースを装着します。一定以上の時間飲食せずに装着する必要があるので、主に睡眠時間などに装着し、2週間程度繰り返します。

歯科医院やサロンで行うオフィスホワイトニングに比べて時間はかかりますが、薬剤が歯の内部まで浸透しますので、ホワイトニング効果が高く、歯の象牙質まで白くなります。また、内部までホワイトニングされますので、効果の持続性も高いのが特徴です。

 

では実際のホームホワイトニングの流れから見ていきましょう。

 

<ホームホワイトニングの流れ>

1.相談

 歯の色状態を確認したうえで、他の口腔内の既往歴などとあわせて、実際にホームホワイトニングが適しているかなどを診断。費用、手順など説明します。

 

2.ベースラインの写真撮影

 初診時の歯の色の状態(ベースラインと呼びます)を写真にて記録します。

比較の為にシェードガイドと呼ばれる色見本から、ベースラインと近い色調のものを選んで一緒に撮影します。

写真のみでは撮影時の光の具合によって色調の見え方が変わってくるので、比較しやすくするためにシェードガイドを並べて撮影します。

左の症例では犬歯はC4、側切歯はA3がベースラインの近似色として選択されています。

ホワイトニング後にこの近似色とどれだけ色の差が出ているかでホワイトニングの効果を確認します。

 

                      

 

      シェ ードガイド

     上段左の一番色の濃いC4から、下段右の一番明るいA1まで順番に並んでいます。

                 

 

      同症例のホワイトニング後の写真です。

     同じC4A3と並べることで色調がはっきりトーンアップしていることがわかります。

                 

3.ポリッシンング

 歯の表面の茶渋などの色素を歯科用の研磨剤とブラシやラバーカップなどを使って機械的に磨きます。

この段階の表面の色素が取れただけで充分という場合はここで止めていただいて構いません。

 

4.ポリッシング後の記録

 この状態が歯本体のホワイトニング前の色調になりますので、患者さん自身に確認してもらい、同意ののちにホワイトニング準備にはいります。

 

5.印象

 ホワイトニング用のカスタムトレーを製作するための歯型をとります。当院ではカスタムトレーの製作には二週間程度いただいております。

                 

       ホームホワイトニング用カスタムトレー   

 

6.カスタムトレーのフィットと使用説明

出来上がったカスタムトレーのフィット具合をを実際のお口の中にいれて合わせてみます。フィットが良くないと薬剤が漏れて効果がでにくかったり、薬剤が歯茎に漏れ出て刺激が出たりします。

フィットが良好なら、着脱仕方や薬剤の入れ方のコツなどの実際の使い方を説明していきます。

 

    ーカスタムトレーの使い方ー

    1)トレーを装着する前には、まずよく歯を磨きましょう。歯の表面に歯垢などがついて

      いては薬剤が歯に浸透しません。

    2)トレーの歯の表側のくぼみにホワイトニング剤を適量注入します。歯の型の内側の唇

      側やや歯茎寄りに注入するのがポイントです。多すぎると薬剤がはみ出してきますし、

      少なすぎるとホワイトニング効果にムラが出ます。シリンジに入っているホワイトニン

      グ剤を注入する様子。シリンジ1本でトレー3~4回分あります。

                     

    3)薬剤が他の部分に付かないように注意しながら、トレーを歯にそっとかぶせるように

      装着します。初めの1週間は朝晩1時間ずつ装着してください。異常が無ければ2週

      間目から就寝時などに8時間程度装着しましょう。

      1週間の朝晩1時間ずつ装着は薬剤に歯を慣らす為の期間です。体質によっては薬剤

      の刺激で知覚過敏が起こり、歯がしみて痛くなることがあります。刺激など感じなけ

      れば、就寝時間の装着に移って大丈夫ですが、痛みなどある場合は、各自ご相談の上

      慣らし期間を延長したり使用時間を短くするなどし、知覚過敏のケアも行っていきま

      す。

   4)トレーをはずしたら、歯に残った薬剤をうがいや歯磨きで取り除いてください。

     使用後のトレーもブラシを使って細かい部分まで洗ってください。トレーは清潔に扱い

     ましょう。洗ったあとは水気を拭いてケースにいれて保管しましょう。

 

7.定期検診

 1~2週間ごとにホワイトニングの進行具合やその他知覚過敏などの異常がないかなどをチェックしていきます。ホワイトニングの効果の度合も自分では分かりにくい場合も多いので、シェードガイドの色と比較しながら確認していきます。

歯がしみて痛いなどの場合のケアや、思ったようにホワイトニングが進まない場合などの対処など、歯の状態を見極めながら患者さんが上手にホワイトニングできるようにサポートします。

1日8時間の使用をはじめて1週間位から効果が現れ始め、2週間でかなりトーンアップしてきます。あとは定期検診ごとにカウンセリングしながらから患者さんの満足できる状態まで使用を継続し(追加のホワイトニング剤は1本825円で購入できます。)、ホワイトニング終了時には最初と同じようにシェードガイドと共に写真を撮影します。

 

 

<ホームホワイトニングのポイントと注意点>

適応症

 ・元々の歯の色調

・加齢による着色

・テトラサイクリン着色歯(軽度)

 

 ホームホワイトニングやオフィスホワイトニングなどの漂白系のホワイトニングは歯全体がムラ無く色が濃い症例が適しています。

エナメル質自体に斑点や縞模様がある場合には色自体はトーンアップしますが、色ムラが浮き上がって見える場合がありますので充分なカウンセリングが必要です。(上のシェードガイドの項の症例も画面ではわかりづらいですが、若干、縞模様が浮き上がっています。)

ホームホワイトニングは象牙質にまで作用しますので、象牙質まで浸透した黄ばみに有効です。

 

色調について

 歯の色とは一見ただのアイボリーホワイトと思いがちですが、人種や個人によってさまざまです。色の明るさや、色味も微妙に灰色味がかかっていたり黄味が強かったりします。むしろ自然界で画用紙のように真っ白いということはありえません。

ホームホワイトニングで歯を白くする場合、元の歯の色から1トーンから2トーン上がるといわれています。肌の色になじむ自然な白さです。

 

ホワイトニング中の注意点

・トレー装着中に歯がしみたり,歯茎やのどの粘膜に刺激を感じることがありますが、極端にひどくない限り問題ありません。痛みが我慢できないような場合は、使用時間を減らすか、使用を中止すればおさまります。

 

・ホワイトニング中は以下の飲食物や嗜好品は避けてください。

  歯に色がつきやすい物

    煙草・紅茶・コーヒー・赤ワイン・コーラなど

  強い酸性の飲食物(ホワイトニング剤が効きにくくなります)

    みかん、レモンなどの柑橘類、又はそのジュース・炭酸飲料・梅干など

 

ホワイトニング後の注意とタッチアップ

 ・ホワイトニング直後は通常より色素か沈着しやすい状態ですので2~3週間は引き続き、色の着きやすい飲食物はできるだけ控え、専用の歯磨き粉をご使用ください。

・ホワイトニング直後の歯の色調はエナメル質がやや透明感のないマットな感じになります。一週間程度で透明感が戻ってきますが、その分若干色が沈んだ印象を受けますが象牙質の白さは変わりませんので、そのまま落ち着いていきます。

・食生活などにより差はありますが、半年から数年経てば、再び飲食物の色素が最沈着していきます。歯の色が再び気になり始めたら、1晩か2晩トレーを装着すれば、白さを取り戻すことが出来ます。薬剤は1本からお買い求めいただけますので、各自で手軽にタッチアップできるのがホームホワイトニングの魅力です。