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2018年 3月 歯科衛生士という仕事

こんにちは。 まずは、先月は学会により診療日の大幅な変更をさせていただき、患者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。
お陰様で、学会プログラムすべて滞りなく終了し、当院院長も無事、大会長という大役を果たすことができました。また、新しい矯正装置や器具などもいくつか導入することになりましたので、患者の皆様により一層お役に立つことができることを期待しております。

さて、前置きが長くなりましたが、先月は学会のほかにも、歯科衛生士学校の教育実習がありました。
こちらは毎年この時期におこなわれており、当院では平成23年度から歯科衛生士学校の生徒さん4名ずつを受け入れております。
短い期間ではありますが、見学や診療の補助等を通して、矯正専門の歯科の実際に触れて学んでいきます。




 ところで、皆さんは「歯科衛生士」という仕事をどのくらいご存知でしょうか?
歯医者で働く仕事というと、まず思いつくのは「歯科技工士」さんではないでしょうか。こちらは入れ歯や歯の詰め物、矯正の装置などを作るお仕事で、基本的にはあまり診療室で患者さんに触れることはありません。
それ以外の、、、というと、わりあいよく言われるのが「ああ、歯科助手さんですか!」となるのですが、厳密には「歯科助手」と「歯科衛生士」は別の業務になります。(が、どうも「歯科衛生士」という言葉になじみがうすいようで、伝わりにくいので、ついつい「そんな感じです」と答えてしまいがちなのですが、、、)

では、なにが違うのか?といいますと、

歯科衛生士は
法律に基づいた国家資格であり、厚生労働省指定の養成所等で3年間修業し、国家試験に合格しないとなれません。 お仕事の内容は歯科予防処置・保健指導・診療補助などの歯科医療業務です。

歯科助手は
基本的に特に資格は必要ありません。ただし歯科医師会が民間のスクールが独自に定めた認定資格はあり、数週間~1年程度で取得できます。診療の補助を行いますが医療行為を行うことはできません。(治療の準備・片付け、患者の誘導、受付業務、カルテの情報をコンピュータに入力、掃除・洗い物、歯科用品や薬品の仕入れなど)


つまり、歯科医への器具の受け渡しなどの診療補助はどちらも行いますが、歯石を取ったり、歯磨き指導などの医療行為は歯科衛生士でないとできません。
このあたりの認識があまり一般的でないため、高校卒業後の進路を選ぶときに、簡単に取得できる歯科助手の民間資格だけで歯科医院に就職したものの、実際の業務内容の制限や待遇も違いに、あらためて歯科衛生士学校に入りなおす、、、という人もいるようです。

ということで、現在岡山県には3校の歯科衛生士専門学校があり、今回見学実習にやってまいりましたのは、朝日医療大学校 歯科衛生学科の2年生の生徒さんたちです。
2名ずつの2チームが各4日間ずつ見学実習をおこないました。
すでに2年生ですので、さまざまな歯科医療に関する授業や歯科医院で実習も5軒は行ってきたそうで、ある程度の知識は持っていますが、矯正歯科は歯科の中でも特殊なので見るもの聞くもの初めてのものが多かったようです。教科書の写真で見た器具も、実際に触ってみないとわからないものです。



  矯正装置製作の見学
  当院では基本的に矯正装置は専門の技工士が作りますが、簡単なものであれば衛生士が作ることもあります。
  装置の仕組みや使用する材料を勉強します。

  

  診療の見学
  矯正歯科では歯科衛生士の処置する診療がたくさんあります。
  実際の診療をみて患者さんへの接し方などを学びます。
  

  診療補助見学
   写真では見切れていますが、医師が診察中です。
  器具の受け渡しなどの診療補助は一見簡単そうですが、スムーズな診療のためには器具の渡す向きや、
  指示される前にすでに準備しておくなど、場の状況を判断し、先を読んで動けなくてはなりません。
  
 


矯正治療における歯科衛生士の業務範囲は一般歯科診療よりも広く、歯科衛生士としてもとてもやりがいのある仕事です。 矯正装置の製作から装置のセット・患者さんへの説明指導など四日ですべてを見学するのは不可能ですが、基本的な部分だけでも一通り見学できたのではないかと思います。
とかく「難しそう」と敬遠されがちな矯正歯科ですが、こういった優秀な学生さんたちが矯正歯科を志してくれたらありがたいです。

最後に、将来の進路に悩む学生さんたちの参考になればと、彼女たちにアンケートをお願いしてみました。 今回実習にきた学生さんは全員高校卒業後すぐに歯科衛生士学校に進学した子たちでしたが、一回他業種を経験してから入学する方もいます。以前の学生さんでは30代の方もいました。年齢を気にせず、本当にやりたい仕事に挑戦するのもすばらしいですね。
参考までに全文掲載させていただきます。アンケートに協力していただいた学生さんたちありがとうございました。また、彼女たちの見学にこころよく協力してくださった患者の方々にも御礼もうしあげます。



M.Tさん

1.歯科衛生士になろうと思った理由はなんですか?
資格が取れて、一回辞めても再就職しやすいからです。

2.衛生士学校はどうですか?
実習がたくさんあり、精神的・体力的にきついこともありますが色々なことを学べとても勉強になります。

3.歯科矯正の実習はどうでしたか?
歯科矯正を始めて見たので、プライヤーの種類の多さ、歯科衛生士がする仕事の多さに驚きました。   分からないことを丁寧に詳しく教えて下さりとても勉強になりました。

4.将来はどんな歯科衛生士になりたいですか?
患者さんから信頼される歯科衛生士になりたいです。 
そして、何歳になってもバリバリで働いていたいです!笑


N.Mさん
1.歯科衛生士になろうと思った理由はなんですか?
安定した職につきたかった

2.衛生士学校はどうですか?
朝日は臨床実習が多く特にこの時期は長期実習、岡大実習、矯正実習がたて続けにあり体力的にはしんどかったですが沢山の実習を行うことで歯科衛生士の職業の幅の広さを知ることが出来きました。

3.歯科矯正の実習はどうでしたか?
初めて見る治療ばかりで新鮮でした。また矯正歯科では歯科衛生士の行う業務が多く技術と知識が求められるなと思いました。

4.将来はどんな歯科衛生士になりたいですか?
ICU口腔ケアラウンドに携わりたいです

H.Mさん
1.歯科衛生士になろうと思った理由はなんですか?
一般歯科とはまた違った患者様とのコミュニケーションの取り方などとても勉強になりました

2.衛生士学校はどうですか?
普段の実習も勉強も周りの人達と高めあって頑張っています

3.歯科矯正の実習はどうでしたか?
知識やスキルはもちろん、患者様に信頼を寄せて頂けるような話術も持った歯科衛生士になりたいです

A.Mさん
1.歯科衛生士になろうと思った理由はなんですか?
高校に入り、様々な大学や専門学校について調べて行くうち、歯科衛生士という仕事があることを知りました。オープンキャンパスで歯衛生士の仕事の体験をさせて頂いて、「なんて楽しい仕事だろう!」と思ったのがきっかけでした。

2.衛生士学校はどうですか?
入学してはじめに教科書の山を見たとき、かなりショックでした。今でもダンボールが一杯になるくらいの知識を身につけるために日々頑張っています。二年生では実習へ行くことが多く、疲労とレポートと戦う毎日でしたが、習ったことを実践したり、新たな知識を得られたりするので楽しい毎日でもあります。

3.歯科矯正の実習はどうでしたか?
矯正器具や装置のイメージは授業では掴みづらいところがあったので、実際につけているところや治療の経過を見られたので一気に理解が深まり、本当に良かったと思っています。

4.将来はどんな歯科衛生士になりたいですか?
将来は楽しく治療を受けてもらえるような、楽しい歯科衛生士になりたいです。 患者さんとふれあえるのは歯科衛生士にとって、とても嬉しいことだと思います。患者さんにもそう思ってもらえるよう、笑顔でたくさんお話ができるようになりたいと思います!