JR倉敷駅より徒歩6分岡山県倉敷市阿知3丁目13ー1 あちてらす倉敷南館1階

TEL 086-422-4410

お問い合わせ

TEL CONTACT

2015年 4月 先天性欠如2 部分治療と接着性ブリッジ

さて先天性欠如シリーズも3回目です。
2月は矯正治療せずにレジンベニアで歯の隙間をリカバーする症例をご紹介しましたが、今月は矯正治療で治した症例のご紹介です。
 
まずは治療前の二つの症例を並べて見ましょう。

<Aさん レジンベニア症例>                           <Bさん 矯正治療症例>

 
とてもよく似た症例です。お二人とも上顎の真ん中から二番目の歯(側切歯)が左右ともに欠如しているため前歯に分散して隙間があります。
Bさんは真ん中の隙間はありませんが、これは以前に他の医院で隙間の部分に歯科用のレジン(樹脂)をつけてもらったそうで、もともとはAさんと同じように真ん中にも隙間があったようです。
レジンベニアのように表面をコーティングしているのではなく、歯の横にだけつけているので真ん中の樹脂部分が少し変色しています。
咬み合せの面からみるとこんな感じです。

<Aさん>                                      <Bさん>

Bさんは右上の二番目の歯の横にも隙間がありますね。
Bさんにもレジンベニアのみで見た目をリカバーする方法と矯正で治療する方法の二通りのご提案をさせていただきましたが、若干全体の隙間の量が多かったのと、前歯の咬み合せも治したいというご本人のご希望がありましたので、前歯の部分矯正で治療することになりました。
装置は前歯4本と奥から二番目の左右大臼歯のみにMBS(マルチ ブラケット システム)を装着しました。
隙間は閉じるのではなく二番目の歯のあるべき部分に集めて、そこに新たに人工の歯をいれます。
これは隙間を無理に閉じると、上の歯の数が少ない分 下の歯列とバランスが合わなくなり、うまく咬み合わなくなってしまうからです。
 
治療期間は9ヶ月。こちらが治療後です。
 
 
 
以前真ん中の歯に隙間をリカバーするためにつけていた歯科用レジンも除去し、元の自然な歯の形に戻して矯正で歯を移動させて隙間を詰めました。
二番目の歯は人工歯で、接着性ブリッジという方法で両脇の歯に固定されています。
(矯正終了後にホワイトニングを希望されているので、ホワイトニング後の色にあわせて人工歯はあえて元の歯より少し白いものを使用しています)

 
     

 
接着性ブリッジのメリットは一般的な被せるタイプのブリッジのように固定源となる両脇の歯を削る必要がないということです。
デメリットは被せタイプと比べると強度が落ちるという点ですが、矯正で以前より咬み合せを浅くして前歯の負担を軽減していますので、当面この接着性ブリッジで試してみて特に破損などがおこらなければ このままで問題ありませんし、もし破損などの問題が起こるようであれば、そうなってから初めて歯を削って被せるブリッジにしても遅くありません。
当院で行う接着性ブリッジに関しては、矯正治療の一環として行っており、特に追加の費用は必要ありません。
 
また、今回の症例では隙間をあつめた量がちょうど欠如している歯と同じくらいでしたので、部分治療でも歯列に隙間を残すことなく治療できました。
横からみても隙間は見えません。
 
 
Bさん 矯正治療後

 
Aさん レジンベニア後


前回のレジンベニアのときに少し書きましたがレジンベニアでは隙間の量や咬み合せによっては隙間をすべてリカバーするのは難しいのです。Aさんの場合も横の方には隙間が残っています。
 
もちろん矯正治療でも咬み合せの状態やあまりに隙間が多いと、すべて閉じるのは難しい場合があります。こういった場合は全顎で矯正して咬み合せごと治療するか、できるだけ歯を前に移動させて前歯の隙間は閉じて目立たない横のほうへ隙間をのこしたり、部分的にレジンベニアや被せなどを併用したり様々です。
 
先天性欠如に限らず、虫歯や歯周病で歯を失ってしまっている方はたくさんいます。
なくなったものを嘆いてもしかたありませんので、残された歯をいかに有効に使ってリカバーするか、またいかによい状態で長持ちさせるかが大切なのではないでしょうか。
そのためにはどうしたらよいのか?自分にはどんな方法があっているのか?ぜひ一度ご相談ください。