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 こちらの今月のトピックスのコーナーでは、毎月新しい治療例や歯に関するちょっと気になる話題などを紹介していきます。これから矯正治療を始めたい方も、現在治療中の方も、このホームページを通してよりいっそうのご理解を深めていただければと思いますので、ご意見ご要望などおよせください。どうぞよろしくお願いいたします。

注: 当院のホームページにおける症例写真はすべて実際に当院で治療した症例であり、患者の皆様の協力の下に承諾を得て掲載せていただいております。

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2019年 2月 乳歯のうちに取り外し装置で矯正!

2019年 2月 乳歯のうちに取り外し装置で矯正!

今月は症例のご紹介です。といっても以前のバージョンのホームページで紹介した症例も含むのですが、サーバーの都合により以前のバージョンが近々閲覧できなくなりそうなので、この機会に新たな症例を加えつつ随時まとめなおして行こうと思います。

まず第一弾として、当院のⅠ期治療(乳歯・永久歯が混在する時期の治療)で最も使用する装置、取り外し式の上下一体型マウスピース装置『EOA』の症例についてお話していこうと思います。
 

   <装着時><EOA装着時>



<症例 1 上顎前突・叢生>

最初の症例はこちら。8歳の男の子です。上顎前突で、上下の顎の骨が小さいので歯が生える隙間が足らず前歯がでこぼこ(叢生)になっています。現代っ子に多いタイプの症例ですね。
上下の前歯4本ずつと一番奥の歯が永久歯で、横の方の歯(まん中から数えて3・4・5番目の歯)は乳歯です。




前歯の凸凹をまっすぐにするためには顎の骨がもっとしっかり大きくなければ並びません。 取り外し式のマウスピース装置『EOA』を使用して、顎の成長を促し前歯の凸凹を治しつつ、咬み合わせを正しい位置に誘導して行きます。

このEOAは基本的に就寝時に装着してもらい、二ヶ月に一度のペースで来院していただき、歯の動きにあわせて装置の調整を行います。装着は子どもさん自身で簡単にできますので、後は忘れずに毎日着けて寝るだけです。

以下3年5ヵ月後の歯並びです。




横の3・4・5番目の乳歯が生え変わりました。
歯並びかみ合わせ共にとてもきれいにはえかわりましたね。
この症例では装置の使用開始から1年くらいで前歯の凸凹はきれいになっていましたが、横の乳歯がきれいに生えるまで油断はできませんので、装置の使用を継続していました。
あとはこの奥に12歳臼歯が生えれば永久歯列の完成です。それまでは定期的に検診のみ継続します。

さらに3年5ヶ月。15歳になり、すべての永臼歯が生えそろい永久歯列が完成しました。





2016年、日本歯科矯正専門医学会(JSO)という団体が作成した「上の前歯が出ているお子さんのための矯正治療ガイドライン」という文書において、「上の前歯が出ている子どもは、永久歯が生えそろうまでは矯正治療を行わないことを強く推奨します。」という記述があり、矯正治療の携わる方々の間で騒然とした一件がありましたが、皆さんこの症例を見ていかがでしょう?確かに下の前歯は若干凸凹が出ていますが、12歳臼歯が生え揃えば永久歯列完成。ここから極端に歯並びがもとに戻るということはありません。固定式のワイヤー装置をつけることなく、抜歯もせず、治療費も全顎の永臼歯矯正の半分以下となれば充分な成果ではないでしょうか?

 
<症例 2 上顎前突・過蓋咬合>




10歳の男の子で、 上顎前突です。咬み込みが強く下顎の成長が奥に押し込められています(過蓋咬合)。プラス歯が生える隙間が足らず前歯がでこぼこになっています。 上下の前歯4本ずつと一番奥の歯が永久歯です。

次にこちらは治療開始から約1年後の写真です。




彼は平均して毎日9時間就寝時に使用してくれていました。几帳面な子で使用時間を書き込むチェックシートも毎日こまめに書き込んで持ってきてくれます。
前歯のでこぼこも改善し、下顎の成長もしっかり促されて上顎の前突感もよくなってきました。
今後は犬歯(中央から3番目)の生え変わりもスペースが足らないのと、上下の歯の中心が合っておらず、下顎がやや右にずれたかみ合わせになっているので、もう少し治療を継続中です。


<症例 3 叢生・上顎前突>




8歳の女の子です。上の前歯の永久歯が3本生えたところですが、真ん中の2本がねじれて生えており、真ん中に隙間もあります。一見それほど出っ歯ではありませんが、2番目の症例同様、奥歯のかみ合わせが出っ歯のかみ合わせです(写真右上の咬み合わせ側面の一番奥の歯に注目)。生え変わりがすすむにつれ出っ歯が進行する可能性があります。




3年半後です。歯のねじれ・すきま・かみ合わせ、いずれもよくなっています。
側面の写真の一番奥の歯の上下の位置関係が初診時と大きくかわっており、下顎がしっかりと成長したのがうかがえます。
やはり、毎日9時間くらい使ってくれました。歯の生え変わりに沿って装置を調整していき、永久歯が上手く生えてくるように誘導してくのがポイントです。


<症例 4 左臼歯部反対咬合・下顎前歯叢生>



 6歳の女の子です。
 一見、上の歯並びはそうでもありませんが、左下の歯が1本内側に入っているのと、一番の問題はかみ合わせが右にずれていて、右奥の歯のかみ合わせが反対(上の歯より外側に下の歯が咬んでいる。右上写真の奥歯に注目)になっています。
上顎のアーチ形に注意すると左右対称でないのがわかります。歯科検診でも見逃されやすい症例です。このまま放置すると成長にしたがって顎の形がゆがんでしまうので、早めに治してあげないといけません。




約5年後の写真です。
治療自体は2年弱で、はじめに固定式の装置で上顎の拡大を半年おこなった後、EOAで顎の位置の誘導と下顎のでこぼこを治しました。 その後、永久歯がすべて生え変わるまで、経過観察を続けてきました。すべての永久歯が生えそろい、かみ合わせのズレもなく良く安定しています。


<症例 5 反対咬合>




10歳の男の子です。わかりやすい反対咬合です。上の前歯の並びも斜めになっています。

装置を始めて3ヶ月で前歯の咬み合わせの反対咬合は改善しましたが、咬み合わせを安定させるためと、前歯の並びをまっすぐにするために装置の使用を続けてもらいました。

治療開始から9ヵ月後



咬み合わせも安定してきましたので装置の使用を中止し後は生え変わりまで定期観察となります。
反対咬合は骨格による場合、成長期に身長の伸びと共に下顎がものすごく大きくなることがあり油断できません。女の子で中学いっぱいまで、男の子では高校生くらいまでは身長が伸びますので注意が必要です。


<症例 6 正中離開・永臼歯萌出余地不足>




8歳の男の子で、実は最初の症例の子の弟さんです。
前歯の真ん中が大きく、すきっ歯です(正中離開)。お兄ちゃんは全体にでこぼこした歯並びでしたから、兄弟でもかならずしも似たような歯並びになるわけではないという良い例ですね。
しかし、顎が小さいというのは二人ともの共通点で、弟くんの方は真ん中に隙間があるぶん二番目の歯が生える隙間がほとんどなく、隙間をつめたとしても二番目の歯が生えるには足りません。下の前歯はおにいちゃん同様でこぼこです。

5年後、同じく乳歯がすべて生え変わりましたのでEOAの使用を中止しました。全体に良くなり十二歳臼歯が生え始めまています。




EOAの使用中止からさらに2年後。




十二歳臼歯まですべて生えそろい非常に良い状態です。非常にきちんとしたご家庭で、歯並びがよくなってからも、長期間忘れることなく検診に通ってくださいました。


<症例 7 上顎前突・正中離開・叢生>




7歳の男の子です。 上顎前突、正中離開、叢生と、歯列不正がひととおりそろっています。
前歯の前突感が大きく、こういった症例のお子さんは転んだりして前歯を折ったり、ぶつけて前歯の神経が壊死して歯が黒ずんだりすることがよくあります。
また顎が小さいので、歯の生える隙間がかなり足らず、現時点ですでにでこぼこになっていますが、これから生えてくる左上前から2番目、右下二番目の永久歯のスペースがまったく足りません。(特に右下はこの時点で1ミリほどしかスペースがなく完全に外側に生えようと歯茎が盛り上がってきています。左上に写真注目)
正直、取り外し装置の拡大だけでそれだけのスペースが確保できるかは五分五分です。確保しきれなかった場合は抜歯によるⅡ期治療(永久歯が生えそろってから固定式の装置で行う治療)が必要になってきます。

2年9ヶ月後です。




乳歯生え変わり完了!
最初は装置が気持ち悪くて使えないと言ってなかなか装着できませんでしたが、毎日20分くらいから少しずつ使用時間をふやしていき、 最終的には毎日10時間くらい使えるようになりました。
取り外しのEOAだけで、別人のようにきれいになりました。すべての永久歯が充分生えることができ、でこぼこもありません。
ただ、装置の使用を中止して2ヶ月たったところで、少しでこぼこが戻りそうな傾向がみられたので、もう一度装置を使ってもらうことにしました。9ヵ月後、まっすぐに並んだので、でこぼこが戻らないように歯の裏側から固定しました。元々の顎がかなり小さかった分、戻りやすいので注意が必要です。 今後は一番奥の12歳臼歯が生えて歯並びが安定するまで経過観察を続けます。



さて、いろいろな症例をご紹介しましたが、 ごらんいただいたように、EOAはとても応用範囲の広い矯正装置で、様々な症例を治療できます。
基本の機能としては顎の成長をうながして歯のアーチを拡大し、歯のでこぼこがきれいに並ぶスペースを作ります。
アーチの拡大だけであれば一般的に良く使われるのは、拡大床とよばれる装置ですが、拡大床でできるのはアーチの幅を拡大するろころまでで、拡大して出来たスペースに歯を並べることはできません。

 <拡大床>  

       

 <EOA> 

        

対してEOAはワイヤーのバネがついているので、幅を拡大しながら、上記の症例のように前歯のでこぼこを並べたり隙間を閉じることができます。
また、拡大床が上あごなら上あご、下なら下と各顎にはめ込んで使用するのに対し、EOAは上下一体で咬みこんで使うマウスピースタイプなので、上下一度に拡大できるのに加え、出っ歯や受け口・左右のズレなどの上下の顎の位置関係を改善することもできます。

つまり、EOAは『顎の拡大』、『でこぼこの改善』、『前歯の隙間の閉鎖』、『顎位の誘導』といったマルチな機能を持った装置なのです。

適切なタイミングできちんと使用すれば、乳歯期のEOA治療だけで矯正治療を完了できることも多く、EOAは最強のⅠ期治療装置といえます。
しかし、寝るときにマウスピースをつけて寝るだけで、歯並びが良くなっていくなんて、なんだか不思議な感じですよね。 次回は、このEOAがどのように働いて歯並びを治していくのか、その実際についてお話していきたいと思います。

2019-02-01 11:43:00

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