ひじや矯正歯科

倉敷で最初の歯列矯正専門の歯科医院|ひじや矯正歯科

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 こちらの今月のトピックスのコーナーでは、毎月新しい治療例や歯に関するちょっと気になる話題などを紹介していきます。これから矯正治療を始めたい方も、現在治療中の方も、このホームページを通してよりいっそうのご理解を深めていただければと思いますので、ご意見ご要望などおよせください。どうぞよろしくお願いいたします。

注: 当院のホームページにおける症例写真はすべて実際に当院で治療した症例であり、患者の皆様の協力の下に承諾を得て掲載せていただいております。

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2019年 8月 下顎前突外科症例 -手術を併用した矯正治療-

こんにちは、暑さも厳しくなり、もうすぐ夏休みですね。
さて、皆さん、「夏休み」といえば?海?花火?それとも夏祭り?しかし、矯正歯科的に「夏休み」といえば「オペ」です。 ???・・・。もちろん一般の方には「?」だと思います。「オペ」というのは矯正治療の一環でおこなう外科手術のことです。
歯並びを治す矯正治療において、歯を動かしただけでは改善しきれない症例の場合、顎の骨の位置ごと動かす手術を併用して治療を行うことがあります。当然入院が必要になりますので、お仕事や学校を休みやすいお盆・夏休みに行う方が多いのです。
そんなわけで、今月は外科手術を併用した矯正治療についてご紹介したいと思います。

 「手術」というと、ほとんどの方が尻込みされます。「手術で切るくらいなら治療したくない!」といわれる方も少なくありません。 しかし、イメージだけでシャットアウトしてしまうのは早計です。みなさん矯正の手術についてどのくらいご存知なのでしょう?

まず、こうした外科手術を併用して治療する症例は顎変形症とよばれます。下顎前突だけでなく上顎前突や開咬、顎骨左右非対称など上下の顎そのもののアンバランスに原因がある不正咬合をいいます。矯正治療だけでは機能的・審美的な改善が困難な症例です。矯正歯科治療と外科手術を組み合わせて治療しますので、こういった治療を外科的矯正と呼びます。治療は、手術の前に歯並びを整える「術前矯正」、「手術(当院の場合は岡山大学病院口腔外科にて施術)」、咬み合わせの最終仕上げをおこなう「術後矯正」の三段階でおこないます。

当院では初診時の段階でも、手術の可能性のある方にはある程度手術についてのメリットやデメリットのお話をさせていただきます。手術をしないと治療できない方から、手術を併用する治療としないで治療する方法どちらでも可能な方もおられますが、手術についてお話させていただくと、どちらでも可能な方の場合でも、手術併用を選ばれる方が少なくありません。特に下顎前突の症例には非常に効果的な場合があるのです。
ではどのようなメリットがあるのでしょうか?もちろんデメリットもありますので、合わせてあげてみましょう。

メリット
・治療費が保険適応になる(入院費と矯正料金合わせても、通常の矯正料金の5~6割程度)
 (H16以降。所定の検査機器を備えた診療所で治療を行った場合。詳しくは保険治療と自費治療のページをご覧ください。)
・顔の輪郭や口元の改善が可能(手術はお口の内側から切開するのでお顔に傷が残ることはない)
・治療期間がやや早くなる場合がある。

       <治療前> <治療後>

デメリット
・2~3週間程度の入院が必要(骨が少し固まるまで口が開けられないのでチューブでの食事になるため)
・手術は全身麻酔下で行うため、麻酔に付随するリスクはある。
・術後しばらくはお口の周りに違和感があったり、開口訓練の必要がある。

さて、こういったメリット・デメリットを踏まえたうえで、どのように治療が進んでいくのか、手術の術式など治療の流れに沿って具体的にお話していきたいと思います。


1.インフォームド・コンセント
 まず、当院での検査を行い、あらゆる面から分析し治療プランを立てます。
この時点で症例によって手術をしないと治療できない方から、手術を併用する治療としないで治療する方法どちらでも可能な方もおられますので、場合によっては複数のプランを立て、それぞれの治療プランについて説明します。
患者さんや保護者の方と相談の上で、外科手術での治療になった場合、更に実際に手術を行う岡山大学病院口腔外科を受診していただき、手術の術式や日程、費用などの説明を受けます。本人と保護者の方に充分納得していただいたら治療開始です。

2.術前矯正
 これはもともとの歯並びがでこぼこだと手術で顎の位置を変えてもうまく咬み合わせることができず、術後の顎の位置が固定できないことや、顎の位置の移動量自体が決めにくかったりといった理由から、手術の前に術後の咬み合わせを想定しながらマルチブラケットシステムで歯並びを整えていきます。

   

3.手術の準備
 さて、実際に手術を行うためにいくつかの準備が必要です。下顎前突などで、下顎骨を切断する症例では、下顎の親知らずが骨を切る際に障害になる位置にある場合、あらかじめ抜歯が必要です。
 また、上顎の骨も切るような場合では出血が予想されるので、ウィルス等の他からの感染を防ぐため、自己輸血の準備を行います。これはあらかじめ自分の血液を何度かにわけて採取・保存しておき使用します。
これらの準備は期間がかかるため、術前矯正の期間に済ませておきます。また、あくまで各症例において必要な場合のみですので行わない場合もあります。

 では、術前矯正もほぼ完了し、手術の時が近づいてきたら、大学病院にてもう一度最終的な手術の詳細の説明を受け、実際の入院日や手術用の全身検査(血液検査や心電図等)の日取りを決めていただきます。
 当院の方でも、手術一ヶ月前に写真や歯型、顎運動などの検査を行い、手術後の下顎固定用のバイトプレートを製作します。これは手術で分割された骨を良い咬み合わせの位置で癒着させるために、顎の位置がずれないように上下の歯列の間に咬ませる薄いプラスチック製のプレートで、当院で製作したものを、手術時に大学病院でセットします。バイトプレートを咬ませた状態で、上下の歯に着いているマルチブラケットシステムのフックにゴムをかけて固定するわけです。(下図参照)このゴムをかける部分は通常のマルチブラケットシステムに装着するのですが、少しでっぱった形になり違和感があるので、できるだけ装着期間が短くなるように手術の直前(一週間程度前)に当院で装着します。

    

4.入院&手術
 いよいよ、手術です。患者さんと病院側の都合に合わせて手術日の3~1日前までに入院します。手術は全身麻酔で行われますので、術中は意識はありません。まずは骨に到達するために切開します。口の中の粘膜から切開していくので、顔の表面に傷が残る心配はありません。骨の切断には下顎前突の場合でもいろいろな方法がありますが、下図は現在、岡山大学でもっとも多く行われている方法です。骨をずらして重ねた部分は、あえて金属プレートなどによる固定は行いません。顎関節の部分が筋肉や周りの組織の自然な力で、安定する位置に収まるのを促すためです。また、シンプルな切断法なので、比較的手術時間が短くてすみますし(手術時間が短いほど、感染などの患者さんのリスクが軽減されます)、後の金属プレートの摘出手術も必要ありません。

術後1週間程度固定を行い、この間は口は開きませんので食事は点滴、または奥歯の後ろにチューブを通しての流動食になります。 その後バイトプレートをはずし、口を開ける練習を始めていきます。2週間程度で顔の腫れも引ききちんと咬めるようになります。トータル約三週間程度で退院です。

5.術後矯正
 退院後も開口訓練を続け、ある程度口が開くようになったら、当院へ来院していただきます。少し顎周りに痺れた感じが残る場合もありますが、次第に収まります。様子を見ながらマルチブラケットの調整を続けて術後矯正を行い、安定した咬み合わせになったら治療終了です。

   <治療前>    <治療後>  

今回紹介させていただいた症例は、下顎前突でしたが、外科手術は技術の進歩とともに様々なバリエーションがひろがりつつあります。
特に顎の成長が止まった成人の場合、通常の矯正治療のみでは、機能的審美的に満足のいく結果を出すのには限界があり、こうした新しい治療法が有効です。確かに入院や手術費といった患者さんの負担は少なくはないですが、手術のあと長年のコンプレックスから開放された喜びはそれまでの大変さを上回るようです。
もうずいぶん以前の患者さんですが、内気でこちらから話しかけても最低限の返事しか返ってこないような少年でしたが、手術の後初めて来院した際、それまで見たことのないような笑顔で話しかけてきてくれました。口元が変わっているせいもありましたが、何よりその雰囲気の違いに、一瞬 誰かわからず、きょとんとしてしまったという思い出があります。その後、治療も終了し、数年後、定期健診に訪れた彼は、なんと車の営業マンになっていました。かつての少年時代からは想像できない滑らかで朗らかな営業トークに、しみじみとこの仕事をやっていて良かったなあと思いました。まだまだ、外科手術や矯正治療自体に否定的な意見もありますが、歯並びや口元の外見が個人の性格に影響を及ぼすことは否定できない事実だと思います。もちろん、良い咬合わせが体の健康に良い影響をもたらしてくれることは言うまでもありませんね。

さて、外科矯正について少しわかってきたところで、それでも、「やっぱり手術は怖い~」と思われる方が多いのも事実です。来月は実際の症例の治療経過を見ながら説明していきましょう。

2019-08-01 10:59:00

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2019年 7月 ブレーススマイルコンテストのお知らせ

今年も恒例のブレーススマイルコンテストの季節になりました。
今回のテーマは『笑顔の先にあるもの、無限大の可能性!』です。矯正歯科治療でキレイな歯並びになっていく皆さんの"輝く"写真を募集します。
同コンテストは、矯正歯科治療中の方を対象にした笑顔のフォトコンテストで、矯正歯科治療中の方がより前向きに治療に取り組んでいただくことを目的として、日本臨床矯正歯科医会が2005年より実施し、今年で15回目になります。昨年も全国からたくさんの作品が寄せられました。
  なお、ブレーススマイルコンテスト最優秀賞と優秀賞受賞者には賞金5万円と、豪華副賞が贈呈されます。その他入賞者全員にQUOカード5000円を贈呈されます。皆さん是非奮ってご参加ください!
募集要項については、以下をご参照ください。





『第15回ブレース スマイル コンテスト 募集要項』

テーマ
『笑顔の先にあるもの、無限大の可能性!』

募集期間
2019年7月1日(月)0:00 から9月30日(月)23:59 

応募条件
・応募者が被写体であり矯正歯科治療中の方。応募者のブレース(矯正装置)がはっきりと写っていること。受賞の対象となるのは応募者のみとなります。(被写体は複数人数可)
・今後日本臨床矯正歯科学会、日本矯正器材協議会が行う矯正歯科治療の啓発活動にご協力いただける方
・応募はお一人につき1点のみとさせていただきます。
 *複数名でのご応募は不可とします。

応募方法
 デジタル写真データ
・日本臨床矯正歯科医会のホームページ(http://www.jpao.jp/smile/)からご応募ください。
・データサイズ 1MB以上2MB未満 ・ファイル形式JPEG形式ファイル
・上記条件を満たさない応募作品は無効となる場合がございます。

問い合わせ先
日本臨床矯正歯科医会 第15回ブレーススマイルコンテスト応募事務局
E-mail:jimukyoku.brace-smile-pr@kyodo.jp

賞・賞品
★最優秀賞  (1名) 賞金5万円と副賞(JTBギフトカード5万円分)
★優秀賞   (1名) 賞金3万円と副賞(最優秀賞と同じ)
★大会賞 賞金2万円
★最優秀賞、優秀賞、大会賞以外入賞者全員に5000円分のQUOカードを贈呈

受賞者発表
11月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で入賞12作品を発表予定 12月に日本臨床矯正歯科医会ホームページ等で各賞発表予定 (日本臨床矯正歯科医会ホームページ http://www.jpao.jp) ※各賞発表後、最優秀賞、優秀賞、大会賞受賞者の皆様には、2020年2月実施予定の表彰式へのご招待のご連絡をさせていただきます。またその他の受賞者の皆様にもご招待のご連絡をさせていただく場合がございます。

表彰式
開催日(予定)2020年2月19日(水)もしくは2月20日(木)
開催場所(予定)ロイヤルパインズホテル浦和(埼玉県さいたま市)

注意事項
※応募作品(写真タイトル、応募コメントを含む)の使用及び著作権は日本臨床矯正歯科医会に帰属し、当会の書籍などの出版物やウェブサイト、PR・プロモーションのために使用させて頂くことがありますので、あらかじめご了承ください。なお、応募作品は返却いたしません。 ※応募作品を当会の出版物やウェブサイト、PR・プロモーション活動等に使用する場合、必要に応じ画像のトリミングや色調の補正等の加工を行う場合があります。 ※第三者の権利(著作権、肖像権など)を侵害する作品は応募できません。応募作品に著作権や肖像権の問題が発生しましても、当会はその一切の責任を負わないものとし、その責任・解決はすべて応募者に帰属するものとします。 ※入賞作品(写真タイトル、応募コメントを含む)は、当医会の広報発表資料や主催する催し、広報誌や作品集等の出版物、ポスター・チラシ、ウェブサイト等で使用する場合があります。作品の使用にあたっては、入賞者の氏名や年齢、居住都道府県の表示を行う場合があります。 ※応募に関する個人情報は、本コンテストに関連する業務(賞の発表や連絡を含む)、ウェブサイトや書籍等へのご協力を確認する連絡以外には使用いたしません。

主催
・公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会
・日本歯科矯正器材協議会

2019-07-01 10:32:00

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2019年 6月 ブレーススマイルコンテストと駐車場変更のお知らせ

さて、毎年恒例のブレーススマイルの季節がやってまいりました。
本年も開催は決定されているのですが、募集要項の発表が若干遅れているようですので、楽しみにされている方には申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。発表されしだい更新させていただきます。

続きまして、駐車場についてのお知らせです。
さる5月20日に当院の正面にありました市営元町駐車場が地域再開発のため一時閉鎖となりました。 再開は令和3年夏とのことで、皆様には大変ご不自由をおかけしますが、当面の当院の最寄の駐車場は赤字の7箇所となります。 最も近いのは駅の西ビルにあります市営駅前駐車場です。

また、このたび当院より美観地区方面へ少し南下したところにあります丸五モータープールも駐車券をご用意しましたので、ご利用ください。
尚、カモ井丸五は駐車サービス券が市営とは異なりますので、各駐車券をお忘れなくご提示ください。
倉敷市営駐車場共通回数駐車券の使える駐車場は以下の五箇所です。

    倉敷市市営駅前駐車場
    倉敷市市営駅東駐車場 
    倉敷市中央駐車場
(あわせて図書館を利用される方は図書館内にて1時間延長可)
    倉敷市阿知3丁目駐車場(60分駐車可)
    倉敷市倉敷駅北広場自家用車整理場(入庫後20分以内は無料)   
   

以下は倉敷市営駐車場の満空情報を、リアルタイムに確認できるサイト「倉敷市営駐車場専用 アイポスネット駐車場情報」です。来院時にご参考になさってください。(注:カモ井・丸五は掲載されていません)  
   http://search.ipos-land.jp/p/parklistNA.aspx?gr=00115




 

2019-06-01 11:46:00

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2019年 5月 歯の健康フェアのお知らせ

今月は歯に関するイベントのご案内です。
毎年恒例となりました『歯の健康フェア』ですが、今年もいよいよ来月開催です。
無料の検診や相談コーナーが開かれたりと、お得な情報満載となっておりますので、是非この機会をご利用下さい。

『歯の健康フェア』は倉敷歯科医師会主催で開催される、市民の皆さんの歯やお口の健康に関する意識を高めていただくためのフェアです。毎年著名な講師の方を招いての特別講演会や無料の健診、大人気の体験コーナーなど色々なイベントを行っております。日程は下記のとおりです。多数のご来場をお待ちしています!

2019-05-01 10:34:00

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2019年 4月 取り外し装置の長所・短所と使い方のコツ

ここ2ヶ月にわたって取外し式装置EOAについてお話してきましたが、矯正治療で使う取り外し装置には様々な種類があります。前回のお話しの中で出てきた「拡大床」も取り外しではありますが、こちらは「床」タイプという種類の一種で、「床」タイプは入れ歯のように平たい形で上顎(または下顎)の歯列にはめこんで使用する装置です。

<拡大床>                               <EOA>
  


対してEOAは「機能的矯正装置」という装置の仲間で、上下一体型で上下の顎で咬み込んで使用するタイプになります。咬み込むタイプではその他にも昨今では既製品の軟らかい樹脂でできた、簡易的なマウスピース型の装置もありますが、今回はEOAとその仲間たちの機能的矯正装置の種類や特徴、上手に使うためのコツとポイントなどをお話ししていきたいと思います。

機能的矯正装置の特徴 前回のEOAの仕組みでも触れましたが、この機能的矯正装置は、上下一体型になっており、顎の位置の不調和を咬む力など、口の周りや顎顔面の筋肉の力を利用して矯正治療をおこなう装置です。

          



機能的矯正装置はEOAのほかにもいろいろな種類があり、治療の目的によって使い分けます。実際にどんな種類があるのかみていきましょう。




機能的矯正装置の種類

1.FKO(別名アクチバートル)


機能的矯正装置の中で、もっとも基本の形の装置です。名前はアルファベットでFKO(エフ・カー・オーと発音します)、またはアクチバートルと呼びます。主に上顎前突や開咬の症例に使用します。 上顎前突の場合、上図のEOA同様に顎の位置を前に誘導して成長を促したり、上前歯にあたる部分に付いているワイヤーで前歯を中に押し込んだりしながら治療を進めていきます。
特に前歯の咬み込みが深すぎて下前歯が上前歯で隠れてしまうような咬み合わせの症例はEOAでは治しにくい症例ですので、FKOや後述のバイオネーターが適しています。顎位を誘導しつつ、奥歯が伸びるのを促すために奥にあたる樹脂部分を削って調整していきます。また、逆に前歯が咬み合わない開咬の症例の場合は、一番の原因は舌を前に出す癖ですので、FKOを装着することで、癖が抑制され、歯が本来あるべき良い位置に動いてきます。

 
2.バイオネーター


FKOとEOAの中間くらいにあたる装置です。 EOAのように樹脂部分が左右に分かれていないので、顎の拡大はできませんが、上前歯の内側に弾線(歯を押すための細いワイヤー)がついていますので、上前歯の叢生(でこぼこした歯並び)を治すことができます。 上顎前突に多くみられる、真ん中の2本の歯だけ前に出て、両脇の歯がひっこんでいるタイプや、FKO同様に前歯の咬み合わせの深いタイプの症例に好適です。


3.ビムラー


こちらは、主に受け口の治療に使用します。 もっともワイヤー部分が多く、咬み込むとワイヤーの弾力が歯に伝わって、上前歯を外に、下前歯を内に入れる力が働きます。


さて、当院で主に使っている機能的矯正装置をEOAとあわせて4種類ご紹介いたしましたが、これらは、あくまで各装置の基本形ですので、それぞれ症例にあわせて様々なアレンジの設計があります。
当院での子供さんの治療では、約8割以上がこれらの機能的矯正装置で治療しています。一つ一つ患者さん本人の歯形に合わせて製作された機能的矯正装置は既製品のマウスピース装置に比べ装着感が良く、また効率的に歯を動かすことが出来ますので、たいていの症例がこれらの装置で治療できます。そして、矯正装置が取外しできるということは、見た目の問題だけでなく、様々なメリットがあります。 ただし、もちろん万能というわけではありませんので、デメリットもあります。以下に両方をまとめましたので、参考になさってください。


機能的矯正装置の長所&短所

長所
1.装置の見た目を気にしなくてよい
  (日中は外すので、学校などで、心無い他者にからかわれたりするリスクがない)
2.歯磨きなどの口腔清掃の妨げにならないので、虫歯の心配が少ない
3.壊したり、変形させたりしても外せるので、お口の中を傷つけない
  (固定式の場合、小さいお子さんなど、自分でいじって装置を変形させてしまい、
   お口の中を傷つけたりすることがある)
4.固定式にくらべ、成長にしたがってゆっくり歯を動かすので、治療後の安定がよい
5.顎の成長そのものをコントロールするので、顎のズレやゆがみを治療できる。
  歯を抜かずに治療できる場合も多くなる。
6.通院の頻度が少なくてよい(2ヶ月に1回。固定式の場合は1ヶ月に一回)

短所
1.患者さん本人が装置をきちんと毎日つけないかぎり、治療が進まない。
2.固定式にくらべると、歯の動きが遅い
3.マルチブラケット(固定式の装置)ほどは、自在に歯を動かすことはできない。
4.乳歯から永久歯への交換期でないと効果がでにくい(6~12歳前後)


ここで、ご注意いただきたいのが、デメリットの『1』と『4』です。 特に治療の時期に関しては、まだ正しい知識が広まっておらず、『矯正治療は永久歯が全部生えてからでないと出来ない』と思われている方が少なくないようです。
結果、機能的矯正装置で簡単に治ったであろう症例でも、時期が遅かったために全顎の固定式マルチブラケットを装着しないといけなくなってしまうということが、しばしば見られます。そうなると費用もたくさんかかりますし、顎の成長が足らなかったり、ゆがみがあったりした場合、成長が止まってからでは治療が難しく、治しきれなかたり、抜歯が必要になってしまうことがあります。

また、『1』に関しては、せっかくいいタイミングで治療を開始しても、本人が装置を使わなければなんの効果もあらわれません。以下にあげますが、使えるようになるためには色々な方法や工夫がありますので試してみましょう。 ただ、性格的な向き不向きもありますので、どうしても使えない場合は固定式に切り替えることのもひとつと思います。当院では同じ治療目的で装置の種類を切り替える場合には、費用の追加はいただきません。
では、以下に『治療の時期』と『装置の使用時間』、その他『装置をつけない&つけられないお子さんの原因と対策』、また装置の取り扱いなど、各々説明していきます。


機能的矯正装置を上手に使うためのコツとポイント

1、機能的矯正装置の治療を始める時期

8~10歳位の永久歯が下の前歯4本、上2本くらい生えた頃
この8~10歳というのはあくまで、目安です。 歯の生え具合には個人差がありますので、前後2年くらいは人によって違うと思っておいたほうがよいでしょう。早い子は6歳くらいでも前歯4本生えている場合もあります。永久歯かどうかの判断が出来ない場合は少し早目から定期的に観察するのがベターです。 時期を外してしまって、永久歯が全て生えそろってからでは取外しの装置での治療は難しくなります。

2、使用時間
毎日8~9時間程度。(理想は14時間くらい)
基本的に寝るときにつけて使用しますので、子供ならたいてい8~9時間は寝ているので十分です。
もちろん、使用時間が長いほど効果が出やすいので、理想として14時間としています。これは、睡眠時だけでなく、晩御飯の後すぐ歯磨きをして装着し、そのまま宿題やTV、入浴などして就寝し、翌朝まで使用すれば、14時間くらいになるかと思います。 また、持続して使わないと効果がでにくいので、あまり着けたり外したりを繰り返すのは、例え合計時間が8時間を越えていても望ましくありません。ただし、装置に慣れず長時間持続して使うのが難しいうちは、少ししずつでも使って慣らしていくのも大切です。


3、装置をつけない&つけられないお子さんの原因と対策
取外し式の装置は患者さん自身が使わなければ一切効果が出ません。また、何日か使っても、その後何日も使っていなければ、せっかくの装置の効果も元に戻ってしまいます。もし、お子さんが装置を使えないようなことがあれば、なぜ使えないのか理由をつきとめて、どうしたら使えるようになるのか工夫が必要です。
以下に装置をつけない&つけれないお子さんの原因と対策をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

●痛くて使えない
まずは、どこがどんな風に痛いのか聞いてみましょう

歯が痛い
→装置の効果が現れて、歯が動き始めるとき歯がむずむずする感じがあります。
お子さんによっては、それを痛いと表現する場合もあります。基本的にはそのまま使用を続け2~3日すれば歯が動ききって収まります。 まったく我慢できないくらいであれば、装置の調整を弱めることはできますので、来院してください。

歯茎が痛い
→どこが痛いのか自分でお口の中の痛い部分触ってもらって、状態を確認しましょう。歯茎に傷が出来ていれば赤くなっているか、白くなっているはずです。)装置の効果で歯が動いたり、乳歯の抜け替わりがすすんだりと、お口の中は日々変化していますので、装置が合わなくなってくることがあります。少し様子を見て、治まらないようなら、お口の変化に合わせて、装置を調整することも必要ですので、来院ください。

●つけるのを忘れる
使用時間のチェック表をきちんとつけることと、それを保護者の方が確認しましょう。それでも忘れる場合、寝る直前にする行動と抱き合わせにすると忘れにくくなります。例えば、寝る前に歯磨きするなら、歯磨き用のコップに装置を入れておく、パジャマに着替えると同時につけれるよう、パジャマの上にケースごと置くなどです。(保護者の方は所定の位置に装置があるか、また使っている痕跡があるか、時々、チェックしてください。)

●なんとなく気持ち悪くて出してしまう。
寝ているうちに口から出てしまう 使い始めの慣れないうちには、よくあることですので、根気良く続けることが大事です。装置に慣れるために起きているときにも少しずつ使いましょう。テレビやTVゲームなど、何かほかの事に集中しているときに装着すれば、装置から気がそれるので、慣れやすくなります。 口呼吸の癖があると、寝ているうちに口から出しやすいので装置に空気の通り穴をあけたり、専用のお口閉じテープを使うのも効果的です。
(トピックスバックナンバー 『ネルネル』お口閉じテープのススメ  参照)

        


●においや汚れが気になる(お手入れ法)
装置は基本的に流水と歯ブラシでこすり洗いで十分ですが、歯ブラシのこすりかたが足りないと、汚れが残って歯石になって落ちなくなったり、ばい菌が繁殖して臭くなったりしてきます。 まずはしっかりこすり洗いすることと、装置をつける前に歯磨きをしっかりしましょう(装置の汚れは歯の汚れが移ったものです。歯がキレイに磨けていれば装置は汚れません。)
どうしても汚れがとれなくなったら、医院の超強力な洗浄剤で時間をかければ、ある程度はキレイにできますのでお早めにおっしゃってください。 装置が汚れたり湿ったままにしておくと雑菌が繁殖して臭いが気になってくる場合があります。こすり洗いの時に愛用の歯磨き粉を使ったり、矯正装置専用の除菌洗浄剤も販売しておりますので使ってみるのもよいでしょう。(機能的矯正装置の素材は入れ歯やソフトタイプの装置と違い、歯磨き粉で擦っても問題ありませんが、逆に市販の入れ歯洗浄剤は成分が合わない場合がありますので避けてください)  またケースがよごれて臭いが出る場合もありますので、ケースもまめに洗いましょう。 ケースの中にキッチンペーパーなどを敷きっぱなしにするのは不衛生なので、あまりおすすめできません。ケースに入れるときは、よく水気をきって拭き、乾いた状態にするか、洗浄液に浸すかのどちらかにしてください。
ただし、熱には弱いので食器乾燥機に入れるのは禁止です。洗うときもぬるま湯くらいまでにしてください。

   
   <奥歯の部分に汚れのこびりついた装置>      

4、その他の注意点
最後に、そのほかの注意点についても少し述べておきます。 こういった取外しの装置の来院スパンですが、必ず2ヶ月に一回は来院しましょう。
きちんと装置が使えていれば、ほぼ2ヶ月あれば、最初に調整した分の歯が動いて、装置がゆるくなっているはずです。そうなると歯の動き具合にあわせて新たな調整を入れてやらないと、歯は動きません。 また、知らないうちに装置を踏んだりして歪んでしまう場合もありますので、おかしいなと思ったら、来院してください。ゆがんだまま使ったり、自分で適当になおしたりはしないでください。ゆがんだ装置をそのまま使っていると、歯並びがゆがんでしまう可能性があります。 保護者の方が忙しかったり、最近ではお子さん自身が塾や習い事で時間がとりにくかったりと、油断するとついつい来院がのびのびになってしまいがちです。
装置はきちんと調整しないと、いくら長い時間使っても効果がでなくなります。毎日忘れず使うことと、きちんと来院して調整を受けること、この2つが効果をあげるためのポイントです

2019-04-01 17:03:00

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2019年 3月 乳歯のうちに取り外し装置で矯正 2 -EOAの仕組み-

先月に引き続きまして、取り外し式の上下一体型マウスピース装置『EOA』のお話です。
こちらも以前のバージョンのホームページからのまとめなおしシリーズになります。(サーバーの都合により以前のバージョンが近々閲覧できなくなりそうなので、この機会に新たな症例や情報の加筆を加えつつ随時まとめなおしていっております。)  

さて、先月はEOAで治療した症例をたくさん紹介させていただきましたが、今月は実際にEOAでどう治っていくのか見ていきたいと思います。
まずは先月のおさらい。こちらがEOAです。

    <装着時>

EOAは取り外し式の上下一体型マウスピース装置で、子どもさん自身で簡単に取り外しできます。 自宅で夜間の就寝時やテレビをみている時、本を読んだり宿題をしている時などに装着して使用する装置です。学校や外出時などに使用する必要はありません。もちろん使用時間が長い程効きは良いですが一日8時間くらい使えれば効果はでます。

こちらの症例をご覧ください。

<治療前>               <治療後>           

     


先月ご紹介した症例集のうち最後の症例です。(詳しくは「2019年 2月 乳歯のうちに取り外し装置で矯正!」をご覧ください)
治療前後では別人のようですね。
かみ合わせの面から歯列の並びをみてみましょう。

<治療前>                         <治療後>            

     

治療前では真ん中の歯は前突し、その横の二番目の歯は生える隙間が足らず、右は歯列からはみ出し、左は生えていません。
一方 EOA治療後では、永久歯はすべて無事萌出し、一列に並んでいます。また、正面からではわかりづらいですが、下顎も前方にしっかり誘導されたので、上顎前突も改善しています。

では、この治療の前後を重ね合わせてみましょう。




 治療前のグリーンの歯列に対し、ピンクのEOA治療後の歯列はアーチ幅が横に広くなっています。
前歯がまっすぐに並ぶためには、それだけのアーチサイズが必要なわけです。

では、EOAが実際にどのようにお口の中で作用していくのかみていきましょう。

まず、EOA本体ですが、赤い「レジン」と呼ばれる樹脂とワイヤーでできています。形が複雑でわかりにくいので、いろんな角度から見てみましょう。

  <上から>            <真横から>
     
  <正面から>           <お口に入れたところ>
       <装着時>

見慣れない方には、ワイヤーがごちゃごちゃしてわかりにくいので、部分的に図解していきます。
まず、歯列の幅を広げるのに重要なのは、赤い樹脂の部分と真ん中のU字形のワイヤーです。(上記の「上から」の写真をごらんください) で、これが、お口にセットすると、歯列に対し下図のようにはまります。(複雑なので、まずは前方のワイヤーは省略した図で説明します)

             

上下一体ですので、縦断面にするとこうなります。(「正面から」の写真参照)

      
この中央のU字形のワイヤーの部分を調整すると下図のようにひろがります。

     

ワイヤーは弾力がありますので、EOAを咬みこむと元の上図のようにちぢまって歯列に収まりますが、下の幅に広がろうとします。その力が樹脂部分を介して歯に伝わります。 基本的に歯は一定の方向に持続的に適切な定量の力が加わると、その方向移動する性質があります。 EOAを装着している間は歯列は常に内側から押される力が加わることになりますので、徐々に歯は外に広がるように移動していくのです。

ということで、こうなります。

      

ただし、これでは、ただ前歯のすきっ歯がひどくなっただけです。ここで重要なのが前歯の付近にある複雑なワイヤーたちです。 上の図では省略していましたが実際にはこんな感じになっています。

     

歯列の外側から力をかけるための「唇側線」と、内側からの「舌側線」の二種類が上下顎に各々ついています。 このワイヤーで内側に入っている歯は舌側線で、外に前突している歯は唇側線で押し並べていきます。 特に舌側線は上下左右に一本ずつ付いているので、歯にあわせて様々な形に曲げ変えることができ、力のかけ方次第で、歯の隙間をとじたり、ねじれを治したりといった治療も可能になります。

      

ただし、こういった歯の並びの移動は、移動先に歯が入るだけのスペースがあって初めてできることなので、必ず、前述の歯列のアーチ幅の拡大と平行して行います。取り外しの装置でありながら、拡大と並びの治療が同時にできるところが、一般的な拡大床(先月のトピックス「拡大床」参照)との大きな違いです。
さらに、もうひとつ拡大床と大きく違う点は、EOAは上顎前突や受け口など顎の前後または左右の位置のズレを治療できる点です。 そもそもEOAは機能的矯正装置という顎の位置のズレを治療する装置の仲間で、そのほかの仲間にはFKO・バイオネーター・ビムラーなどがあります。(詳しくは次回) 機能的矯正装置は咬む力など、口の周りや顎顔面の筋肉の力を利用して矯正治療をおこなう装置で、上下一体のマウスピースタイプの装置です。

       

機能的矯正装置は永久歯に生え変わる顎の成長期に非常に重要な装置で、この時期に顎のズレが改善できないと、下顎の成長が止まってしまたり、歪んだままになってしまいます。でこぼこの歯並びなどは大人になってから歯を抜いて治療するというのもひとつの方法ではありますが、健康な歯を抜きたくない場合や顎の上下または左右のズレが大きい場合にはこういった成長期の治療が有効です。永久歯列での治療では骨格的なアプローチが難しいからです(場合によっては骨を切る手術を併用する場合もあります。) 以下は下顎の小さいタイプの上顎前突ですが、成人になって来院されたので、抜歯治療を行った症例です。

      治療前

      治療後

乳歯期に治療していれば抜歯しなくてもすんだのか?といわれれば、必ずしも絶対と言いきることは難しいですが、あくまで可能性の問題ですので、可能性に賭けるかどうかですね。当院ではこういったEOAの症例では7~8割程度のお子さんで、先月の症例のように乳歯期のみの治療で治療を終えています。100%ではありません。どうしても装置を毎日使えない子や、こういった取り外し式装置で治療できる範囲を超えた症例もあるのです。そのあたりについては順次取り上げて行く予定です。
ということで、次回はこの機能的矯正装置の種類や使用上の注意点などについてお話していきます。

2019-03-01 16:00:00

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2019年 2月 乳歯のうちに取り外し装置で矯正!

今月は症例のご紹介です。といっても以前のバージョンのホームページで紹介した症例も含むのですが、サーバーの都合により以前のバージョンが近々閲覧できなくなりそうなので、この機会に新たな症例を加えつつ随時まとめなおして行こうと思います。

まず第一弾として、当院のⅠ期治療(乳歯・永久歯が混在する時期の治療)で最も使用する装置、取り外し式の上下一体型マウスピース装置『EOA』の症例についてお話していこうと思います。
 

   <装着時><EOA装着時>



<症例 1 上顎前突・叢生>

最初の症例はこちら。8歳の男の子です。上顎前突で、上下の顎の骨が小さいので歯が生える隙間が足らず前歯がでこぼこ(叢生)になっています。現代っ子に多いタイプの症例ですね。
上下の前歯4本ずつと一番奥の歯が永久歯で、横の方の歯(まん中から数えて3・4・5番目の歯)は乳歯です。




前歯の凸凹をまっすぐにするためには顎の骨がもっとしっかり大きくなければ並びません。 取り外し式のマウスピース装置『EOA』を使用して、顎の成長を促し前歯の凸凹を治しつつ、咬み合わせを正しい位置に誘導して行きます。

このEOAは基本的に就寝時に装着してもらい、二ヶ月に一度のペースで来院していただき、歯の動きにあわせて装置の調整を行います。装着は子どもさん自身で簡単にできますので、後は忘れずに毎日着けて寝るだけです。

以下3年5ヵ月後の歯並びです。




横の3・4・5番目の乳歯が生え変わりました。
歯並びかみ合わせ共にとてもきれいにはえかわりましたね。
この症例では装置の使用開始から1年くらいで前歯の凸凹はきれいになっていましたが、横の乳歯がきれいに生えるまで油断はできませんので、装置の使用を継続していました。
あとはこの奥に12歳臼歯が生えれば永久歯列の完成です。それまでは定期的に検診のみ継続します。

さらに3年5ヶ月。15歳になり、すべての永臼歯が生えそろい永久歯列が完成しました。





2016年、日本歯科矯正専門医学会(JSO)という団体が作成した「上の前歯が出ているお子さんのための矯正治療ガイドライン」という文書において、「上の前歯が出ている子どもは、永久歯が生えそろうまでは矯正治療を行わないことを強く推奨します。」という記述があり、矯正治療の携わる方々の間で騒然とした一件がありましたが、皆さんこの症例を見ていかがでしょう?確かに下の前歯は若干凸凹が出ていますが、12歳臼歯が生え揃えば永久歯列完成。ここから極端に歯並びがもとに戻るということはありません。固定式のワイヤー装置をつけることなく、抜歯もせず、治療費も全顎の永臼歯矯正の半分以下となれば充分な成果ではないでしょうか?

 
<症例 2 上顎前突・過蓋咬合>




10歳の男の子で、 上顎前突です。咬み込みが強く下顎の成長が奥に押し込められています(過蓋咬合)。プラス歯が生える隙間が足らず前歯がでこぼこになっています。 上下の前歯4本ずつと一番奥の歯が永久歯です。

次にこちらは治療開始から約1年後の写真です。




彼は平均して毎日9時間就寝時に使用してくれていました。几帳面な子で使用時間を書き込むチェックシートも毎日こまめに書き込んで持ってきてくれます。
前歯のでこぼこも改善し、下顎の成長もしっかり促されて上顎の前突感もよくなってきました。
今後は犬歯(中央から3番目)の生え変わりもスペースが足らないのと、上下の歯の中心が合っておらず、下顎がやや右にずれたかみ合わせになっているので、もう少し治療を継続中です。


<症例 3 叢生・上顎前突>




8歳の女の子です。上の前歯の永久歯が3本生えたところですが、真ん中の2本がねじれて生えており、真ん中に隙間もあります。一見それほど出っ歯ではありませんが、2番目の症例同様、奥歯のかみ合わせが出っ歯のかみ合わせです(写真右上の咬み合わせ側面の一番奥の歯に注目)。生え変わりがすすむにつれ出っ歯が進行する可能性があります。




3年半後です。歯のねじれ・すきま・かみ合わせ、いずれもよくなっています。
側面の写真の一番奥の歯の上下の位置関係が初診時と大きくかわっており、下顎がしっかりと成長したのがうかがえます。
やはり、毎日9時間くらい使ってくれました。歯の生え変わりに沿って装置を調整していき、永久歯が上手く生えてくるように誘導してくのがポイントです。


<症例 4 左臼歯部反対咬合・下顎前歯叢生>



 6歳の女の子です。
 一見、上の歯並びはそうでもありませんが、左下の歯が1本内側に入っているのと、一番の問題はかみ合わせが右にずれていて、右奥の歯のかみ合わせが反対(上の歯より外側に下の歯が咬んでいる。右上写真の奥歯に注目)になっています。
上顎のアーチ形に注意すると左右対称でないのがわかります。歯科検診でも見逃されやすい症例です。このまま放置すると成長にしたがって顎の形がゆがんでしまうので、早めに治してあげないといけません。




約5年後の写真です。
治療自体は2年弱で、はじめに固定式の装置で上顎の拡大を半年おこなった後、EOAで顎の位置の誘導と下顎のでこぼこを治しました。 その後、永久歯がすべて生え変わるまで、経過観察を続けてきました。すべての永久歯が生えそろい、かみ合わせのズレもなく良く安定しています。


<症例 5 反対咬合>




10歳の男の子です。わかりやすい反対咬合です。上の前歯の並びも斜めになっています。

装置を始めて3ヶ月で前歯の咬み合わせの反対咬合は改善しましたが、咬み合わせを安定させるためと、前歯の並びをまっすぐにするために装置の使用を続けてもらいました。

治療開始から9ヵ月後



咬み合わせも安定してきましたので装置の使用を中止し後は生え変わりまで定期観察となります。
反対咬合は骨格による場合、成長期に身長の伸びと共に下顎がものすごく大きくなることがあり油断できません。女の子で中学いっぱいまで、男の子では高校生くらいまでは身長が伸びますので注意が必要です。


<症例 6 正中離開・永臼歯萌出余地不足>




8歳の男の子で、実は最初の症例の子の弟さんです。
前歯の真ん中が大きく、すきっ歯です(正中離開)。お兄ちゃんは全体にでこぼこした歯並びでしたから、兄弟でもかならずしも似たような歯並びになるわけではないという良い例ですね。
しかし、顎が小さいというのは二人ともの共通点で、弟くんの方は真ん中に隙間があるぶん二番目の歯が生える隙間がほとんどなく、隙間をつめたとしても二番目の歯が生えるには足りません。下の前歯はおにいちゃん同様でこぼこです。

5年後、同じく乳歯がすべて生え変わりましたのでEOAの使用を中止しました。全体に良くなり十二歳臼歯が生え始めまています。




EOAの使用中止からさらに2年後。




十二歳臼歯まですべて生えそろい非常に良い状態です。非常にきちんとしたご家庭で、歯並びがよくなってからも、長期間忘れることなく検診に通ってくださいました。


<症例 7 上顎前突・正中離開・叢生>




7歳の男の子です。 上顎前突、正中離開、叢生と、歯列不正がひととおりそろっています。
前歯の前突感が大きく、こういった症例のお子さんは転んだりして前歯を折ったり、ぶつけて前歯の神経が壊死して歯が黒ずんだりすることがよくあります。
また顎が小さいので、歯の生える隙間がかなり足らず、現時点ですでにでこぼこになっていますが、これから生えてくる左上前から2番目、右下二番目の永久歯のスペースがまったく足りません。(特に右下はこの時点で1ミリほどしかスペースがなく完全に外側に生えようと歯茎が盛り上がってきています。左上に写真注目)
正直、取り外し装置の拡大だけでそれだけのスペースが確保できるかは五分五分です。確保しきれなかった場合は抜歯によるⅡ期治療(永久歯が生えそろってから固定式の装置で行う治療)が必要になってきます。

2年9ヶ月後です。




乳歯生え変わり完了!
最初は装置が気持ち悪くて使えないと言ってなかなか装着できませんでしたが、毎日20分くらいから少しずつ使用時間をふやしていき、 最終的には毎日10時間くらい使えるようになりました。
取り外しのEOAだけで、別人のようにきれいになりました。すべての永久歯が充分生えることができ、でこぼこもありません。
ただ、装置の使用を中止して2ヶ月たったところで、少しでこぼこが戻りそうな傾向がみられたので、もう一度装置を使ってもらうことにしました。9ヵ月後、まっすぐに並んだので、でこぼこが戻らないように歯の裏側から固定しました。元々の顎がかなり小さかった分、戻りやすいので注意が必要です。 今後は一番奥の12歳臼歯が生えて歯並びが安定するまで経過観察を続けます。



さて、いろいろな症例をご紹介しましたが、 ごらんいただいたように、EOAはとても応用範囲の広い矯正装置で、様々な症例を治療できます。
基本の機能としては顎の成長をうながして歯のアーチを拡大し、歯のでこぼこがきれいに並ぶスペースを作ります。
アーチの拡大だけであれば一般的に良く使われるのは、拡大床とよばれる装置ですが、拡大床でできるのはアーチの幅を拡大するろころまでで、拡大して出来たスペースに歯を並べることはできません。

 <拡大床>  

       

 <EOA> 

        

対してEOAはワイヤーのバネがついているので、幅を拡大しながら、上記の症例のように前歯のでこぼこを並べたり隙間を閉じることができます。
また、拡大床が上あごなら上あご、下なら下と各顎にはめ込んで使用するのに対し、EOAは上下一体で咬みこんで使うマウスピースタイプなので、上下一度に拡大できるのに加え、出っ歯や受け口・左右のズレなどの上下の顎の位置関係を改善することもできます。

つまり、EOAは『顎の拡大』、『でこぼこの改善』、『前歯の隙間の閉鎖』、『顎位の誘導』といったマルチな機能を持った装置なのです。

適切なタイミングできちんと使用すれば、乳歯期のEOA治療だけで矯正治療を完了できることも多く、EOAは最強のⅠ期治療装置といえます。
しかし、寝るときにマウスピースをつけて寝るだけで、歯並びが良くなっていくなんて、なんだか不思議な感じですよね。 次回は、このEOAがどのように働いて歯並びを治していくのか、その実際についてお話していきたいと思います。

2019-02-01 11:43:00

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2019年 1月 進学・転勤にともなう、転医について

あけましておめでとうございます。
こちらのトピックスのページも開設以来、早12回目のお正月を迎えることとなりました。これからもよりいっそう皆様お役に立てますよう精進して参りたいとおもいますのでどうぞよろしくお願いいたします。本年も良い年になりますようお祈り申し上げます。

さて、新年早々ではありますが、受験生の皆さんはそろそろ大詰めですね。早くも進学先が決まった方もおられるでしょうか。進学以外でも卒業や就職、転勤などこの春に引越しの決まった方はおられますか?
もし、遠い県外への引越しで通院が難しくなってしまったら治療はどうなってしまうんだろう・・・。不安になっておられる方も多いと思います。心配はご無用です。きちんとした手続きをとれば、転居先でも安心して治療が継続できるよう、付近の矯正医をご紹介いたします。
ただし、治療を継続するためには、これまでの治療経過や初診時の記録の複製などの資料を継続してくれる医師にお渡しする必要があり、そのための準備には1ヶ月程度必要ですので、できるだけ早めのお知らせをお願いいたします。そのほかにも治療費や転居先の矯正医の選び方や、逆に転居してくる場合などいろいろありますね。ということで、今回は矯正治療の途中で引越しになってしまった場合についてのお話です。



<転医資料用 平行模型>

ご存知のように矯正治療は数年単位で継続した治療を行うため、治療の途中で転居、結婚、出産などをはさむケースも珍しくありません。ですので、治療中に通院が難しいほど遠くへ転居しなくてはならない場合にも、問題なく治療が継続できるように、矯正医どうしの間できちんと連携をとることになっています。こういった転居先で通院できる医院へ変わることを「転医」といいます。

転医するには、それまでの治療の経過がわかるように、その患者さんの記録や資料が必要になります。元の歯並びやどういった経過で治療が進行してきたかがわからないと、治療の予測や計画を立てることが困難だからです。たとえば、前歯のかみ合わせの浅い患者さんが来院されたとして、元々深い咬み合わせをそこまで浅くしてきたのか、もっと浅い咬み合わせの治療の途中なのかでは、治療の進め方がまったく変わってきてしまうのです。 他にもどうやって転居先で医院を探したらいいのか?治療費はどうなるのか?など色々気になることは多いと思いますので、以下、転医の流れ・治療費・注意事項などについてお話していきましょう。


<転医の流れ>

1、 転居のお申し出もし進学・転勤などで引越しの可能性がでてきた場合には出来るだけお早めにお申し出ください。後述する転医先医院のリストアップや資料の作成にはお時間がかかります。転居先のエリアが確定していない場合でも、通院が困難になりそうな場合には早めにお申し出ください。

2、 引越し先のエリアの矯正医のリストアップエリアが決まったら、当院のほうで、転居先のエリアの矯正医を探してリストアップしますので、その中から受診する医院をお選びください。矯正の標榜をしている歯科医院でも、治療技術の差があるため、一定以上の技術レベルと考えられる医院の中から選ばせていただきます。ただし地域によっては矯正医が少ない場合があります。転居先の住居のお近くでなくても、通学先の近くや、通勤通学途中の最寄の大きい市街などから、探すのもよいでしょう。

3、 転医資料の作成転医先でスムーズに治療が継続できるように、当院に保管してある初診時や治療経過の模型・レントゲン・口腔内写真などの治療記録を転医先の医院にお渡しするために複製を作成いたします。(進学先から帰省される場合や、万が一の紛失に備えて、オリジナルの資料は引き続き当院でも保管いたします。)治療経過や治療費のお支払い状況などのお手紙もあわせてご用意いたします。資料の作成は、特に石膏模型複製に時間がかかるため、最速でも一月程度必要です。なお、当院では資料の作成費は特にいただいておりません。

4、 転医資料のお渡し実際に転居される直近の、当院での最後の診療の時に、準備した資料やお手紙をお渡しします。お時間がとれず来院できなかった場合や、資料の作成が間に合わなかった場合には、転居先の住所または転医の医院に直接郵送させていただきます。

5、 転医先医院受診リストの中から通院しやすそうな医院を見つけたら、まずは予約のお電話をしてください。(医院によってはあらかじめこちらから連絡させていただく場合もあります。)当院からの転医希望であることを伝え、受診の際は資料をお忘れなくお持ちください。実際の医院の雰囲気や細かい費用や診療内容など、受診してみないとわからない部分もありますので、リストの中から複数まわってみるのもよいでしょう。その際は持参した資料は返却してもらい、次の医院に持参してください。


<治療費のお支払いについて>

治療の途中での転医の場合、治療の進行状況に応じて矯正料金をいただくことになります。
(例:矯正料金60万円でスタートした治療の6割進んだところで転医の場合 60万円×60%=36万円)
もし既に全額お支払い済み、あるいは進行状況以上の治療費をお支払い済みの場合は、進んでない部分に相当する費用は返金させていただきます。
(上記例の場合 60万円―36万円=24万円返金)

逆に治療の進行状況に対して矯正料金の入金が間に合っていない場合には、進んでいる部分までの矯正料金をご入金いただきます。
ご入金の状況に関しては転医先医院にお伝えいたしますが、自費診療のため各医院で料金体系はまちまちですので、当院の残金と同額で治療できるとはかぎりません。受診した際にしっかり確認しましょう。

一般に物価の影響から都心部の方がやや高くなる傾向はありますが、極端に高額な場合などはご相談ください。また、医院によっては新たに検査費が必要な場合や治療装置を変更になる場合もあり、転医の際には若干追加の費用が必要な可能性があります。


<その他のご注意>

*舌側矯正やインプラントを使用した治療の場合、矯正治療を専門に行う医院でも、かならずしもすべての医院で同治療を行っているわけではありませんので、同治療の継続可能な転医先を選ぶため、医院の選択肢が狭くなる可能性があります。

*医院によって使用する矯正装置はまちまちで、場合により装置の変更を求められる可能性があります。永久歯の矯正治療で使用する固定式のマルチブラケットの場合は装置のメーカーは違っても基本の構造は近いものが多いので、そのまま継続できる可能性が高いでのすが、乳歯期の治療法は医院により違う場合がやや多いです。

*上記の理由で転医の際は追加の費用が発生する場合がありますので、治療終了が近く残りの通院回数が少ない場合で、転居先が比較的近距離の場合には、転医しないほうが金銭的負担が少ない場合もあります。ただし緊急時の対応がしづらいなど、一長一短ありますのでいろいろ情報を集めてよく相談してみましょう。治療が終了していて、定期健診だけの通院の場合は、来院回数も少なく来院の間隔も3ヶ月ごと程度なので、引き続き帰省時にのみ当院を受診されるパターンもあります。その際、緊急時の対応のために転居先近くの矯正医もご紹介いたします。


<他県から当院へ転医してくる場合>

*来院の際はあらかじめご予約ください。

*その際、上記の前医院での治療経過等の資料があればお持ちください。

*資料が間に合わない、紛失、などで資料を持参できない場合でも、こちらから転医前の医院に連絡をとるなど、できるかぎりの対応させていただきますので、ご相談ください。

*資料は治療計画の検討のためお預かりいたしますが、当院で治療を希望しない場合にはお返しいたします。


以上転医についてのご案内でしたが、ご不明な点、聞いておきたいことなどありましたら、お電話・メール等お寄せください。

2019-01-01 17:00:00

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2018年 12月 年末限定 プチギフトのご案内

今年も早12月。なにかとあわただしい師走ですが、みなさん新年を迎える準備はすすんでいますか?
当院でも今年も年末限定で、当院イチオシの歯ブラシCi700のプチギフトセットをご用意いたしました。

当院で一番人気のCi700を各色(青・ピンク・白・黄緑・オレンジ)2本ずつ計10本入に、歯磨きマニュアルとメッセージカードを添えて、1セット500円(税別)今年は和風熨斗タイプも新登場!

 Ci700は極細毛と平切り普通毛のダブル植毛で、歯の細かい隙間と平面の固めの歯垢の両方の除去に優れており、永久歯に生え変わった10代から、年配の歯周病の方まで幅広くお勧めしております。

日頃の感謝をこめてお友達やご親戚にちょっとした贈り物をしてみてはいかがでしょう?



            

2018-12-01 15:21:00

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2018年 11月 日本矯正歯科学会と日本臨床矯正歯科医会&認定医について

さる10月30日~11月1日、横浜にて第77回日本矯正歯科学会 学術大会が開催されました。いわゆる学会です。
今年も院長が出席のため30日(火)は臨時の休診とさせていただき、患者の皆様にはご迷惑をおかけしまして 申し訳ありませんでした。
ところで、「また学会の休診!?二月にも休んでなかった?」と思われる方もおられるでしょうか。そう、二月に開催されたのは「日本臨床矯正歯科医会 大会」でこちらも毎年の恒例となっています。 日本矯正歯科学会と日本臨床矯正歯科医会・・・紛らわしいですね。

 そもそも「学会」とは、とある分野の研究や学問を行う者が、その研究成果の発表や意見交換を行う場であり、そういった会や論文誌などの発表場を提供する業務を担う機関のことをいいます。
この学問の分野により、様々な学会があります。なかには勝手に学会と名乗っているだけの怪しげなものもありますが、日本矯正歯科学会はもちろん日本学術会議から指定を受けた学術研究団体である公的学会であり、矯正歯科の学会の中で最も伝統がありメジャーな協会です。矯正歯科を専門とする歯科医師のほとんどが在籍しているといっていいでしょう。

 対して日本臨床矯正歯科医会とは、矯正歯科を専門に診療する開業医の団体です。「臨床」とは「患者に接して診察・治療を行うこと」であり、先述の日本矯正歯科学会に所属する「矯正歯科を専門とする歯科医師」の中には大学などで主に研究に従事されている歯科医もふくまれていますので、日本臨床矯正歯科医会の場合は実際に開業して患者さんの矯正治療にあたっている矯正歯科医の団体ということになります。
入会資格は、5年以上の矯正歯科臨床経験と、診療所の所在地区会員1名を含む3名以上の推薦によって理事会の承認を必要とし、現在、全国主要都市を中心とする13支部に、約460の矯正歯科医が在籍しています。

さて、各会の概要がお分かりいただけたところで、それぞれの業務内容についてふれていきましょう。
まず、各会いずれもメインの事業である、おのおのの研究成果の発表や意見交換を行う場である「大会」を毎年開催しています。当院院長も毎年出席している、いわゆる「学会」です。今年度の日程は以下のとおりで臨時の休診をさせていただき申し訳ありません。条件は以下の通りで

   日本矯正歯科学会
      第77回日本矯正歯科学会 学術大会   10月30日~11月1日

   日本臨床矯正歯科医会
     日本臨床矯正歯科医会 大会   平成31年2月20日・21日


こういった学会では各大学や研究機関の研究成果が講演や貼りだしで発表され、あたらしい治療法や機器、または未来の治療にむけた研究などを知ることができます。
また、今回の日本矯正歯科学会ではあわせて一般の方向けに市民公開講座や無料矯正歯科個別相談なども行われました。

      <市民公開講座のもよう>
         
        
     <学術展示>
    

    <学術講演>
    

    <矯正機器のメーカーによる商社展示>
    



 
ちなみに前回の日本臨床矯正歯科医会大会は院長を大会長に岡山で行われ、実際的な症例の展示やスタッフセミナー、矯正機器のメーカーによる新しい治療装置のプレゼン会など開かれ大変興味深いものでした。


さて、各学会、こういった大会の開催のほかにもさまざまな業務があります。
その中でも重要かつ、一般の方にも関係深い事業として、日本矯正歯科学会の認定医・専門医制度というものがあります。

これは矯正歯科医療の水準を維持し向上を図ることによって一般市民の皆さんに適切な医療を提供するために行われているもので、日本矯正歯科学会の定める条件をクリアした歯科医に対し、矯正治療に関して適切かつ充分な学識と経験を有するものとして「日本矯正歯科学会の認定医・専門医」の資格を授与します。
要はこの「日本矯正歯科学会の認定医・専門医」資格を有する歯科医ならば、「矯正治療に対しての技術と経験を日本矯正歯科学会が保証しますよ。」ということです。

 というのも、現在の日本の法律では、矯正歯科治療の知識や経験がなくとも、歯科医師の免許をもってさえいれば、『矯正歯科』と標榜することに問題がありません。通常の一般歯科の片手間にごく簡単な矯正治療のみを行う場合であっても、診療科目に「矯正」を標榜している医院は大変多いですし、違法ではありません。
だからこそ、もし皆さんが本格的な矯正治療を受けたいと希望された場合のひとつの指標となるのが「日本矯正歯科学会の認定医・専門医」制度なのです。
平成18年度現在、日本の歯科医師は103 972人います。その中で日本矯正歯科学会の認定医は3196人、約3%です。

ちなみに矯正歯科の認定医制度は、日本のその他の専門医制度に比べてもその基準が厳しく、高い技術と経験が要求されています。

   1、 5年以上日本矯正歯科学会の会員であること
   2、 2年以上大学の矯正歯科で研修医をした後、学会指導医の下で
      さらに3年以上矯正歯科に専門的に従事すること
   3、 学会誌にオリジナル論文を発表すること 学会の定める試験に合格すること

 が最低限必要になります。

矯正歯科治療というのは、歯科治療の中でも最も専門性の高い分野で、多くの矯正歯科医は矯正治療のみを専門に行います。ですが、矯正治療をメインで行っている歯科医院であっても、その中で「認定医」などの資格を有しているかどうかは別な話ですし、逆に一般歯科診療も行いつつ認定医資格を有する歯科医もいます。確実なのは日本矯正歯科学会の「認定医・専門医一覧」から検索するのが間違いないでしょう。
なぜなら、本年より厚生労働省によるホームページ・看板広告等への記載規定の変更があり、矯正歯科における各医院での認定医等の表記ができなくなりました。過熱する過度な広告宣伝競争への抑止ということでしょうか、今後治療例等の掲載も禁止される可能性があり、患者の皆様にはご不便かと思いますが、以下ご参照ください。

日本矯正歯科学会「認定医・専門医一覧」

2018-11-01 18:02:00

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